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設計のポイント


アメニティに対する配慮

■トイレを快適な空間とするための装飾と色彩




 




 これまでの取材では、子どもたちがトイレごとにイメージを膨らませて、快適な空間とした例をいくつも見てきました。
 それぞれにテーマがあって、たとえば宇宙であったり森であったり海であったりと、子どもたちの想像力は果てしなく広がり、テーマをつくることによって子どもたちの創造力は大きく膨らみます。
 そこで大きな役割を果たすのがトイレ内の色彩計画と、そこに置かれる時計や絵、花瓶、掲示板などのさまざまな小物類です。
 トイレ内は、床壁材・水まわり器具・トイレブースなどの部材で構成されるわけですが、それぞれに素材・色彩のバリエーションが豊富で、部材はそのまま空間構成のデザイン要素ともなります。
 トイレの改修に当たって、比較的自由になり、効果が高いのは色彩ですから、大いに利用するとよいでしょう。多くの学校で子どもたちに色を選ばせているのも、結果がはっきりと目に見えること、費用的にもそれほど大幅なアップにならないことなどが主な理由です。
 また、色彩は単に雰囲気を変えるだけではなく、色自体にもメッセージがあります。たとえば赤い色からは、禁止や使用中などの意味を、私たちは経験的に読み取ります。しか し、子どもたちはこのようなことに関しては無頓着ですから、それに対する教育的配慮も必要です。

トイレ変更例
カラフルな色彩計画の、和泉市立国府小学校の
トイレ。














■基調色とアクセントカラー









 インテリアの基調色として多いのが白色系とベージュ系です。ただし床は汚れが目立たないようにグレー系が多く選ばれているようです。
 いずれもトイレが明るく、温かみのある空間となりますが、その一方では単調になってしまう可能性もあります。
 そこで、アクセントカラーを付加することによって、さまざまな空間演出が可能となります。
 アクセントカラーを用いる部位にはブース扉、洗面カウンター、床のパターンなど、設計時点から考えなくてはならないものと、装飾用の額や花びんなど、後から付加できるものなど、さまざまなものが考えられます。

松伏町立松伏中学校の男子トイレはショッキングピンクが効果的に使われています。

宝塚市立御殿山中学校の女子トイレではブース扉の朱色がアクセントとなっています。


■色の選択基準は大人と子どもでは違う








 一般的に大人が利用するトイレはモノトーンな色調が多く見受けられます。また高級トイレや学校の教職員用トイレでは木目調のシックなものもあります。
  いずれも落ち着いた雰囲気ですが、子どもたちにトイレの色を選んでもらうと、大人としては驚くような色が飛び出してくることもよくあります。
 大人とは異なった色彩感覚があるようで、子どもたちに色選びを任せるのも楽しいトイレづくりに役立ちます。選択肢の中から極端な色を除いておくという戦略的な方法もありますが、最近の取材では、子どもたちに任しても、結果的にはお互いに 調整して、無難なところに落ち着くようです。
 また、トイレは学校全体の中では限られたスペースであるため、どんなに極端な色彩を用いても、トータルとしてみれば学校全体のイメージに大きな影響は及ぼさないので、かなり自由やらせてもよいという意見も先生や行政からもありました。

左の写真は子どもたちが選んだ色の組み合わせにしたがって施工されたもので、右の写真は改修に携わった大人が選んだ色調。子どもたちの選択は、大人から見れば時には過激な色調に見えますが、自分たちが決めたことが実現したという達成感が直接的に感じられる部分でもあります

■トイレ内の装飾
 トイレを装飾するために、ある程度の下準備が必要なのは、出来上がったものになにかを加えるだけでは限度があるからです。何をどのように飾ろうか、子どもたちといっしょに考える時間を用意することができるのも、参加型改修のメリットです。
 トイレごとにテーマを決めて、壁や天井に絵を描いたり、カッティングシートを利用したステンドグラスをつくったりと、日本中の小学校や中学校でさまざまなアイデアが繰り広げられています。
 参加型の改修では子どもたちの希望を聞くために、アンケート調査がよく行なわれますが、ときには過剰な要望も出てきます。クーラーが欲しい、BGMが欲しいなど、なかにはテレビゲームがあったらいいなどという答えも見かけました。
 もちろん子どもたちのいいなりになるのではなく、できることと、やらなければならないこと、またやってはならないことなどを学ぶいいチャンスとし捉えていた学校もありました。
 学校の改修にかかる費用は、君たちのお父さんやお母さんが納めている税金で賄われているのだから、大切に使わなければならないなど、社会のシステムを教えるいい機会になっているようです。
 トイレ内の花台や洗面コーナーなどに花を飾っている例も多く見かけました。先生方が生けたり、園芸部の子どもたちが飾ったり、ところによってはPTAや地域の人々が参加している例もあります。
 生花などは手がかかって面倒だととらえるのではなく、トイレをきれいにし続けるというモチベーションを、子どもたちやみんなに持たせる方法だと考えるべきではないでしょうか。

富山市立光陽小学校の男子トイレは、各小便器の前やブース内に額に入った絵が掛けられています。
横須賀市立大津小学校の手洗い回り。 横須賀市立大津小学校3階の「天」をイメージした内装。
 
富山市立光陽小学校の男子トイレ入り口に設け
られたステンドグラス。
 


■安全性とアメニティ
 トイレの内部が廊下から見えるかどうかが問題となることがあります。プライバシー保護の視点からは見えないほうがよいし、子どもたちも落ち着くという利点があります。一方では内部の様子がわからず、管理が十分に行き届かなくて不安だという先生の意見も聞こえてきます。安全性のためにも、内部の状態を知りたいところです。
 その折衷案として、ガラスブロックや不透明ガラスを入り口の間仕切り用素材として利用する方法があります。色つきのガラスブロックを用いたり、カッティングシートを用いてステンドグラス風にしたりして、装飾的に扱うと、トイレの入り口回りが明るくなるとともに、内部の様子をうかがうこともできて、一石二鳥です。

昭和女子大学附属昭和小学校のトイレ入り口。


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