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設計のポイント


大便ブースゾーンに対する配慮

■便器は和式か洋式か








 家庭のトイレの洋式普及率が高まり、外出先でトイレを利用するときにも、洋式便器を目にすることがずいぶんと増えてきました。和式便器が根強く残っているといわれている鉄道駅でも、最近ではバリアフリーやユニバーサルデザインの視点から、洋式便器の普及率を高める方向にあります。
 洋式便器のメリットは、高齢者でも使用しやすいとともに、周囲を汚しにくく、清掃性のよい面が挙げられます。
 ところが、学校トイレにおいては 「直接肌を触れるのがイヤ」という意見が多く、洋式化が躊躇されています。実際にさまざまなところで行なわれたアンケート結果を見ると、この傾向は小学校高学年の女子から 顕著となります。思春期特有の清潔感ともいわれますが、一方で、女性教諭からもよく出される意見です。
 実際に改修された結果を追跡してみますと、洋式便器に対する拒否反応が薄れていることがわかります。多くの学校で、「空いているほうを使う」という答えが女子から返ってきました。
 洋式化の傾向は、全国自治体へのアンケート調査でも明らかになりました。
最近は各トイレに和式トイレを1個残すかどうかが議論されるようになってきました。
 丁度これは15~20年前にオフィストイレにおいてあった議論です。
しかし、現在ではこのような議論はあまり聞かなくなり、当たり前のように全て
洋式便器となることが多くなってきました。3年前(2005年)全館のトイレ改修に
合わせ、思い切って100%洋式便器に切替えられた公立の小学校があります。
同学校の先生のお話では、きれいになったことに対する評価は多々ありましたが、
和式便器がないことに対する苦情は今まで一度もないそうです。
 地域開放や災害避難場所としての役割からは、高齢者や様々な方の利用も考慮する必要があり、ユニバーサルデザインの観点からも洋式化は必然的といえます。
 また、節水面でも洋式便器の方が優れいることから、今後も確実に洋式化が進んでいくことが考えられます。
 洋式便器が普及する背景には、下水道などの都市インフラ整備の充実とともに、使い勝手、清掃性、清潔さなど、多くの面から社会的に評価され受け入れられているものです。洋式便器の実質的なメリットを考えると、大便器の洋式化は必然的な時代の流れだと思われます。

 ※自治体アンケートのページはこちらをクリック





洋式と和式のどちらを使いますか?
(2000年7月学校のトイレ研究会調べ)
下の円グラフは中学校3年生の男女112名を 対象として改修後調査した結果。 「女子生徒は洋式嫌い」といわれます。たしかに改修前調査の段階では、小学校の高学年くら いから、とくに女子に顕著ですが、洋式を嫌う傾向が出てきます。ところが、きれいに改装されたトイレでは、洋式でも抵抗なく使われているのが実情です。
   建物用途別 洋式率 (TOTO出荷実績)


■体格の差に対する便器選択上の配慮






 和式便器ではそれほど問題とはなりませんが、洋式便器の場合には高さ、大きさの選定が「使いやすさ」にかかわってきます。
 とくに体格差が大きい小学校では便器の高さの選定が重要となります。床から座面までの高さは、成人の場合で400mm程度が一般的です。 しかし、小学校低学年では、成人と同じ高さでは床に足が届かず、非常 に不安定な状態になります。自分の体格にフィットし、無理なく使える高さの便器を設置することは、子どもに安心感を与えるとともに、トイ レでの失敗や、トイレ嫌いもなくすことにつながります。
 低学年といっても成長には個人差があり、成人用を併設して、自分の身体に合った便器を選べるようにしておく配慮も必要でしょう。また、自分では大人用でもできるという自尊心を養うことにもなります。  




■ブースの広さ







 限られたスペースですが、大便ブースはなるべく広く取りたいものです。使いやすさと清掃のしやすさ、いずれにも関係してきます。
 また、奥行きや入り口の幅にも配慮が必要です。いくら面積が大きくても間口が狭くて奥行きばかりあっても使いにくいだけです。
 一般的に洋式便器のトイレは扉が内開きの場合が多く、便器にあたるため深い奥行きが必要となります。また、多目的トイレをつくるほどの面積を確保することが不可能ならば、広めのブースとすることで怪我をした子どもや、介護や付き添いが必要な場合にも対応できます。
 
一般的なブースの広さ。
松葉杖や車いすを使用するときには広いほうが使いやすいのですが、目の不自由な人にとっては、広すぎるのはかえって不安になります。
  学校という場所であることを考えれば、常に必要なアシストが得られることを基本として、どこまで自立 して使うことができるかという視点から考える必要もあります。
 このように使う人の状態や回りの環境によっても条件が違ってきますので、絶対的な広さや寸法を一意的 に決めつけることはできません。そこがトイレの計画の難しいところですが、ここにも人を思いやる心を育てる契機があると思います。
 クラスの仲間や先生方、両親などと話し合うにはもってこいの話題となるかもしれません。



広めのブースをつくるには 例1)突き当たりの空間を利用する 例2)ふたつのブースをひとつにする。



■広めのブース内には手すりを備えたい





 小学校、中学校とともに、いちばん元気な時期に手すりなんて… 思われがちですが、元気だからこそ勢いあまって骨折など、思わぬケガをすることもあります。
 そんなときでも、備えあれば憂いなし、突然の事態でも安心して使えるように、多目的トイレのように完備した設備までは持たなくとも、手すりを備えた広めのブースをトイレ内にひとつは用意しておきたいものです。
 全身で寄りかかったりぶら下がったりと、手すりには比較的大きな力がかかることが予想されますので、 後から設置するときにはしっかりと取り付けられる場所を選ぶ必要があります。
 手すりの位置や大きさは体格によって異なりますし、左右の違いもありますので、すべてが同じ位置ではなく、選択できるように異なった寸法で用意しておく方法もあります。
 また、あらかじめ設置するのでは なく必要になったらいつでも設置できるように、壁に必要な強度と取付け用の下地をもたせておく方法もあります。
  現在では障害をもっていても、本人が希望すれば普通に入学できるようになっているのですから、特殊学級を併設している学校であれば当然のこととして、手すりは必需品といえます。



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