
■子どもたちの手による日常メンテナンスの方法
現在、ほとんどの小中学校では、児童や生徒が当番でトイレ清掃にあたっています。毎日清掃するとしても、ほとんどが15分前後の時間しかありません。
しかし、トイレを清潔で快適に、長い年月にわたって維持しようとすれば、これでは十分ではありません。とりあえず見えるところをきれいにするための「清掃」ではなく、これからは「メンテナンス(維持管理)」をしていくという視点に立った取り組みが必要です。したがって、ここでは清掃ではなく、メンテナンスと呼ぶことにします。
具体的なメンテナンスの方法は3つの段階に分けられています。まず、いままで行なわれていた子供たちによる日常的なメンテナンス。つぎに先生方と一緒に行なう学期毎の定期メンテナンス、さらに専門業者に委託する特殊メンテナンスです。今回は日常メンテナンスについて詳しく説明いたします。
(監修:木村徳太郎商店)
ドライメンテナンス方式
■必要な道具類
特別なものは必要ありませんが、屈まないで使えるように柄の長いものを用意します。また消臭・殺菌・防腐剤は人体に無害で環境汚染のおそれのないものを選びます。
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洗車ブラシ、柄付きブラシ、スポンジモップ |
消臭・殺菌・防腐剤、ポリバケツ、ゴム手袋、ウェス |
ちりとり、ほうき |
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作業の手順
1 まず、作業をはじめる心構えのためにも、清掃表示板を出すとよいでしょう。そしてゴム手袋をします。つぎに洗剤ではなく清浄液を用意します。これはポリバケツに入れた水に消臭・殺菌・防腐剤を溶いたもので、できればふたつ用意します。
さあはじめるぞ!
2 ほうきでトイレ全体のゴミを取ります。とうぜん、ブースの中もほうきではきます。
3〜4 ひとつめのポリバケツにブラシを浸してから洗面器、小便器、大便器などの陶製機器は内部をブラッシングして汚れを落とします。
5〜7 ブラシで汚れを落としたら、ふたつめのポリバケツを使ってウェスを浸し、よく絞ってから便器や洗面器の外側の汚れを拭取ります。
8 パーティションや扉もウェスできれいに拭きます。
9〜11 スポンジモップに清浄液を染み込ませ、よく絞ってから床全体をていねいに拭きます。とくに汚垂れ石や大便器と床の取り合い部分は十分に拭いてください。
12 最後にトイレットペーパーやせっけんがなくなっているかどうか確認して、なくなっていれば新しいものを補充して下さい。清掃表示板を外して完了です。トイレも気持ちもスッキリと爽やかになりました。
ウェットメンテナンス方式
■必要な道具類
基本的にはドライメンテナンスと同じですが、床のタイル目地などの清掃のためのデッキブラシや水を処理する水きりワイパーなどが必要となります。
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水きりワイパー、スポンジモップ、デッキブラシ |
ゴムホース、ポリバケツ、消臭・殺菌・防腐剤、柄付きブラシ、ウェス |
ちりとり、ほうき |
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作業の手順
基本的にはドライメンテナンスと同じです。違いは水を流すことですが、勘違いしてはいけません。汚れを水で流すのではなく、水に浸して汚れを浮かせて取りやすくすることが目的です。
1 清掃表示板を出して、さあ仕事開始。
2 ゴミをほうきで取ります。
3 ゴムホースを使って全体に水をかけますが、必要以上にかけないように注意しましょう。
4ドライと同じように、ふたつのポリバケツに消臭・殺菌・防腐剤を溶いた洗浄液をつくります。
5〜6 便器の汚れを洗浄液をつけたブラシで落とします。
7〜8 床の素材に合わせてデッキブラシとスポンジモップを使い分けます。タイル目地の汚れなどはデッキブラシのほうがよく落ちます。
9〜11 タイル張りの壁や棚、パーディション、扉、流し、便器などを、洗浄液を含ませてよく絞ったウェスで汚れを拭取ります。
12 最後に水きりワイパーで床の余分な水を取り除きます。さらにトイレットペーパーやせっけんなどを備品の状態を確認し、清掃表示板を外してメンテナンス完了。
ご苦労様でした。
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