学校トイレノウハウブック2025
13/32

大便器(和式便器)小便器換気、空調洗面の蛇口洋式便器の水を流すレバー流すセンサー小便器の水を0壁床トイレブースのドア小便器の水を流す押しボタントイレブースの壁トイレブースのカギ和式便器の水を流すレバー保有面積建物の水準学校のトイレ研究会「2022年度全国自治体学校アンケート調査」昭和40年代後半から50年代にかけて建設された校舎等が一斉に更新時期を迎える一方、経年25年以上の建物が全体の7割を占め、学校の老朽化は深刻な問題です。建て替えや長寿命化改修だけでは、とても老朽化に追いつかない惨状です。適切なトイレ単独改修計画と耐久性のある空間づくりが不可欠です。当研究会が実施したアンケートによると、トイレ空間の改修サイクルについては、理想は20年以内が大半であるのに対して、現実は20年以内の改修が2割未満と、大きなギャップがあるのが実情です。ここに現場の清掃努力だけではどうにもならない劣悪なトイレ環境の原因があります。せめて20年スパンの更新を目安に改修を実施し、その間の20年間は確実に衛生性と快適性が保てるよう、耐久性のある空間づくりを施していくことが重要です。文部科学省の『学校施設の長寿命化計画策定に係る手引』においても同様のガイドがなされています。「大規模改造」でも「大規模改造」でもトイレ改修を明記!トイレ改修を明記!通常、2,000万円以上の大規模改修の際に適用される1/3の国庫補助は、400万円以上のトイレ単独改修にも適用されます。これらをうまく活用し、改善要望1位のトイレ改修に予算を優先的に捻出することは、教育環境の保全はもとより、災害避難者の支えともなる社会基盤の整備にも繋がり、地に足の付いた現場視点の判断といえるのではないでしょうか。トイレの壊れやすい箇所第1位がブースのドア、第2位が和式便器の洗浄レバー。洋式化とともに耐久性のあるブース材や壁材、清掃性の高い床材や器具の選定が肝要です。トイレは20年ごとの改修が適切【現実】Q 学校トイレの老朽化・故障しやすい部分は?80年15,595万m2全保有面積  経年40年以上の面積 8,354万m2 6,098万m2 ■改修を要する面積 2,256万m2 ■改修済の面積 7,240万m2 ■経年40年未満 73865868414%11%10%20年70〜80年間(建物をよい状態に保ち、躯体の耐用年数まで使う)70〜80年間(建物をよい状態に保ち、躯体の耐用年数まで使う)2,4311,7731,894201672670782346%30%28%27%40年60年1,25288762021%19%19%19%17%長寿命化のイメージ経年による性能・機能の劣化公立小中学校 経年別保有面積51%Q 学校トイレ空間改修は 何年間隔で実施すべきだと 思いますか?【理想】(万m2)4,0003,5003,0002,5002,0001,5001,000500H20〜H24(10〜14年)H15〜H19(15〜19年)建築年 ( )内は経年数H25〜H29(5〜9年)H30〜R4(0〜4年)・外装、内装等の改修・断熱化等のエコ改修・空調設置・コンクリート中性化対策・鉄筋の腐食対策・耐久性に優れた仕上材へ の取り替え・多様な学習内容・学習形態 への対応・トイレ改修S47以前(50年以上)S48〜S52(45〜49年)S53〜S57(40〜44年)S58〜S62(35〜39年)・外装、内装等の改修・断熱化等のエコ改修・空調設置・トイレ改修出典:「学校施設の長寿命化計画策定の手引と解説」(文部科学省)P27を加工して作成S63〜H4(30〜34年)H6〜H9(25〜29年)H10〜14(20〜24年)学校のトイレ研究会「2015年度全国自治体学校アンケート調査」(複数回答)長寿命化改修費(改築の6割程度の費用)大規模改造費(予防保全的な改修)大規模改造(原状回復等)築40年※文部科学省「公立学校施設実態調査 令和4年度」を基に加工して作成社会的要求水準(耐震・省エネ等)大規模改造費(予防保全的な改修)長寿命化改修(機能向上)大規模改造(原状回復等)築25年約4割384改築費改築改築n=191〜10年1%21年〜30年9%〜10年16%31年以上38%11年〜15年24%16年〜20年51%n=8211年〜15年3%16年〜20年15%21年〜30年43%n=79竣工施設全体の機能に相当な支障が発生する水準築40年以上の建物で、かつ改修を要する面積が全体の約39%学校トイレに求められること適切なトイレの更新サイクルとは?トイレ単独改修にも国庫補助が適用されます13老朽化対策

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る