──バリアフリー化へ向けて、国としてのサポート体制はあるのでしょうか。髙草木 予算面はもちろん、技術的な側面でも最大限の支援を行っていきたいと考えています。例えば「校地が狭い」「傾斜地がある」といった物理的な課題がある場合は建築士の方をご紹介するなど、有識者を派遣する事業も行っています。それ以外にも、防災に詳しい方や特別支援教育に詳しい方など、さまざまな分野の方に協力いただくことも可能です。お困りの際には一度、ご相談いただければと思います。バリアフリーに関しては、補助制度があります。利用に際しては、施設助成課に問い合わせいただければサポートさせていただきます(下記参照)。──バリアフリー化が進むことを、私たち学校のトイレ研究会も願っています。髙草木 使う人の顔を想像しながら、その人たちの声を細部の計画にまで反映させた設計になっていると、私自身もとてもうれしく思います。特にトイレは明るくきれとが大切だと感じています。建物を新築する場合は、法律でバリアフリーへ移行することが定められていますが、改修時はそうではありません。つまり、計画の中に反映されない限りは、検討もなされない可能性があるのです。社会の流れを見ていても、今後、バリアフリーは必要不可欠です。計画段階から優先順位として高く設定していただけるよう、われわれも引き続き周知を図っていきます。──最近では、交通ターミナルや商業施設を中心に、車いす使用者トイレや、オストメイト配慮のあるトイレ、乳幼児用の設備があるトイレなど、機能分散が進んでいます。今後、学校のトイレもそのような潮流になると思われますか。髙草木 アフリートイレとして1カ所に設備を集約するのではなく、使用者が求めるトイレにするという意味でも、そのような機能分散の流れが考えられると思います。公共施設全般を横断的に計画し、複合化している学校もありますので、そういったところは特に、交通ターミナルや商業施設のような視点が現れてくると思います。そうですね。今後はバリいになると、子どもたちの笑顔にもつながります。の周辺に座ることができるスペースがあると、そこを起点として児童・生徒間にコミュニケーションが生まれることがあります。そのような新しい価値があるトイレは、今後のあり方として非常によい事例〇洗浄ボタン・ ペーパーホルダー等だ〇洗浄ボタン・ 機器の配置の統一* ペーパーホルダー等 機器の配置の統一*と考えています。もちろん、各自治体の方は一般の便所内◎手すり限◎手すりられた予算の中で対応いただいていることは承知しています。学校施設を一つの資本として有効に活用しす。われわれも最大限サポートしてまいります。引き続き、国と学校設置者が一丸となって取り組み、結果を出していければと思います。衛生面以外にも、例えば水場補助金や相談窓口国のサポート体制とは※撮影時のみマスクを外しています。※割合はいずれも原則。 ※義務教育諸学校の新増築には公立学校施設整備費国庫負担金が適用され、その他については学校施設環境改善交付金が適用されます。 ※保有面積が2,000㎡未満の学校および幼稚園の大規模改造については算定割合が1/3となります。●対象校公立の小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程、特別支援学校、幼稚園●工事内容[新増改築事業]バリアフリーを踏まえた施設整備[大規模改造事業]エレベーター、自動ドア、スロープ、バリアフリートイレなどを設置する工事/小中学校などの余裕教室、または普通教室を特別支援学級に模様替えする工事など*「公立学校施設のバリアフリー化に対する国の支援策について」をもとに作成。 国庫補助制度に関するお問い合わせは、文部科学省施設助成課まで学校施設環境改善交付金のメニューの一つに、障がいのある児童・生徒や、学校施設を利用する高齢者などに配慮し、エレベーターなどを設置する場合に対応するバリアフリー化のための補助制度があります。2021年度より、この補助率が1/3から1/2に引き上げとなりました。ここでは学校トイレを中心に見ていきましょう。 学校施設環境改善交付金では、「トイレ改修」「空調設置」「バリアフリー化」について、それぞれ個別の補助メニューが用意されています。この三つの事業が混在する場合、学校設置者は一つの工事で発注することが多く、どの補助メニューで申請するかについては、整備内容に従って各自治体で個別に判断しています。 なお、バリアフリー化に関する公立学校既存施設の対応については、学校施設環境改善交付金の補助事業の一つという位置づけです。別枠の補助金として実施されるものではありません。◎車いす使用者用便房◎新築・改築・大規模改修時 の各階への設置☆男女共用とする◎緊急通報ボタン◎車いす使用者の通行可能な出入り口・通路の幅員◎車いす使用者の通行可能な出入り口・通路の幅員◎手すり(1個以上)◎車いす使用者用便房◎手すり(1個以上)◎新築・改築・大規模改修時 の各階への設置☆男女共用とする◎緊急通報ボタン◎床置式または 壁掛式低リップ 小便器(1個以上)◎床置式または 壁掛式低リップ 小便器(1個以上)◎車いす使用者の通行可能な出入り口・通路の幅員◎手すり(1個以上)◎床置式または 壁掛式低リップ 小便器(1個以上)づてのいく声くりをにと踏いごまう協え観力たい点バたリかだアらけフもれリ、ばー使◎車いす使用者用便房ト幸用い◎新築・改築・大規模改修時イ の各階への設置者でレ◎緊急通報ボタン☆男女共用とする一般の便所内◎オストメイト対応 の水洗器具 国庫補助対象となるトイレまわりのバリアフリー化工事例◎オストメイト対応 の水洗器具◎洋式便器◎洋式便器一般の便所内〇使いやすい水栓◎手すり〇洗浄ボタン・ ペーパーホルダー等 機器の配置の統一*〇使いやすい水栓〇座位でも容易に 使用できる高さの 洗面台(1個以上)〇車いすでひざ下が 入るスペース〇車いすでひざ下が 入るスペース〇座位でも容易に 使用できる高さの 洗面台(1個以上)◎洋式便器◎オストメイト対応 の水洗器具〇使いやすい水栓〇座位でも容易に 使用できる高さの 洗面台(1個以上)〇車いすでひざ下が 入るスペース◎重要 〇望ましい ☆有効◎重要 〇望ましい ☆有効◎滑りにくい床仕上げ◎出入り口ならびに通路の段差をなくす◎滑りにくい床仕上げ◎円滑に使用できる出入り口戸◎出入り口ならびに通路の段差をなくす☆便房の戸に使用中か否かの表示装置◎円滑に使用できる出入り口戸☆点字などによる案内表示☆便房の戸に使用中か否かの表示装置☆光警報装置☆点字などによる案内表示☆光警報装置*公共トイレ操作系JIS(JIS S 0026)*公共トイレ操作系JIS(JIS S 0026)◎重要 〇望ましい ☆有効*「学校施設バリアフリー化推進指針」(「誰もが利用できる◎滑りにくい床仕上げ便所」、第2章-4-5)をもとに学◎出入り口ならびに通路の段差をなくす校のトイレ研究会で作成。◎円滑に使用できる出入り口戸※以上の各項目については、☆便房の戸に使用中か否かの表示装置☆点字などによる案内表示学校施設環境改善交付金の☆光警報装置バリアフリー化に関する国庫補助の対象となる工事ですが、*公共トイレ操作系JIS(JIS S 0026)各項目単体で実施する場合、補助加減額などの補助要件に合致せず、補助対象外となる場合も考えられます。14バリアフリー化のための国庫補助制度について ●負担(算定)割合新増築:1/2 改築:1/3 大規模改造:1/2バリアフリー化のための国庫補助制度の概要バリアフリー化は学校施設環境改善交付金の一要素学校トイレのバリアフリー最前線!
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