学校のトイレ研究会では、毎年、自治体アンケート調査を実施しています。さらに今回は、3年ぶりに公立小中学校の教職員向けにもアンケート調査を実施しました。今回の主なテーマは、「感染症対策」と「バリアフリー化」です。学校トイレにおける複数年の推移を見ていくと、特にコロナ禍において感染症対策が一定の定着を見せ、文部科学省の指針を受けてバリアフリー化が加速する兆しが見られました。Q1の、児童・生徒のために施設改善が必要と思われる場所に関する質問では、「トイレ」「廊下の手洗い場」が省エネのための機器を抑えて1位、2位となりました。特にトイレは、2009年度以降4回の調査結果すべてにおいて唯一過半数を占めており、2021年度では62%に達しています。廊下の手洗い場は2021年度調査で新しく加わった項目ですが、これも他を大きく上回る数字となりました。Q2の、今後特に重要と思うことでは、自治体と学校教職員で一部の回答が割れる結果となりました。自治体は「バリアフリー対応」と「感染症対策」が重要と考えており、教職員では「感染症対策」「ダイバーシティ」と「清掃管理・メンテナンスの強化」が重要だとしています。なお、感染症対策は両者に共通しており、継続的に必要とされていることがわかります。バリアフリーとダイバーシティ、メンテナンスについては、双方の考え方に寄り添いつつ、今後の学校トイレ整備に反映していきたいものです。どこから手をつける?学校の施設改善感染症対策だけが目的でなくても実施している項目用足し後の手洗いの励行手洗い用石けんなどの設置手洗い時のアルコール消毒の励行トイレの乾式清掃(床に水をまかない)感染症を意識した清掃外部委託会社などによる定期的なトイレ清掃1719%19%16% 72%60%57%76%66%69%48%47%46%42%49%45%44%41%28%26%清掃・消毒スタッフの増強(トイレ以外も含む)*59%59%87%88%2021年度n=111、出典:A2020年度n=133、出典:B2019年度n=199、出典:C※いずれも複数回答*2021年度のみ38%41%14%20%17%14%19%16%10%15%*2020・2021年度のみ50%便器の洋式化屋内トイレの乾式化小便器の自動洗浄化換気設備の更新・設置*トイレ照明の自動化トイレの出入り口のドアをなくす抗菌・抗ウイルス性能を持つ建材や器具 *手洗いの自動水栓化自治体35%50%67%53%65%90%利用時改修時清掃時2年で+32ptQ3学校トイレの感染症対策として実施していることは何ですか?
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