学校のトイレ研究会研究誌25号
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Q3では、感染症対策の実施項目について聞きました。改修時において「手洗いの自動水栓化」が顕著な伸びを示し、「小便器の自動洗浄化」「トイレ照明の自動化」といった非接触=タッチレスに関する項目が年々増加傾向にあります。利用時においては、手指衛生の「手洗いの励行」や「石けんの設置」が高い数値を維持しており、清掃時の「乾式清掃」はここへ来てさらに増加しています。Q4は、感染症対策として今後有効と思われるものについて聞いたものです。「手洗いの自動水栓化」は87%と最も高く、感染症対策の中でも特に非接触化の強い意向が反映された結果となっています。その他、Q3の感染症対策実施項目と比較してみると、大きく差が開いている項目があります。「手洗いの自動水栓化」が20ポイント増加、「小便器の自動洗浄化」が19ポイント、「抗菌・抗ウイルス性能を持つ建材や器具」が28ポイント、清掃時においては「感染症を意識した清掃」が38ポイント増加。以上は相対的に実施されている率が低いのに対し、有効と考えられている率が高く、今後の感染症対策として重要視されていることがわかります。逆に、「便器の洋式化」はすでに実施率がかなり高い(90%)ため、今後が68%と下がっています。それでもなお上位に位置し、依然有効性があると考えられているようです。Q5からは、感染症対策として廊下の手洗い場などトイレ以外での手洗いの手指衛生も重要だと意識されていることがわかります。どう変わる?感染症対策の現在と今後便器の洋式化用足し後の手洗いの励行手指用アルコール製剤の設置・励行トイレ照明の自動化屋内トイレ床の乾式化手洗い用石けんなどの設置大便器の自動洗浄化換気設備の設置・更新抗菌・抗ウイルス性能を持つ建材や器具トイレ出入り口のドアをなくす手洗いの自動水栓化(全部)手洗い場の増設清掃・消毒スタッフの増強(トイレ以外も含む)アルコール製剤の設置水石けんの設置上位12項目4%※いずれも複数回答2021年度n=93、出典:A2020年度n=117、出典:B1822%20%11%14%49%35%35%33%27%今後新築・改修予定の学校について廊下などにある手洗い場について今後の方針はいかがですか?      手洗いの自動水栓化小便器の自動洗浄化手洗いの自動水栓化(一部)トイレの乾式清掃(床に水をまかない)感染症を意識した清掃外部委託会社などによる定期的なトイレ清掃自治体自治体87%69%68%68%65%62%60%52%改修時・利用時58%54%48%46%44%36%清掃時24%22%1年で+14pt学校トイレにおける感染症対策で今後、有効と思われるものは何ですか?■Q3「実施していること」との  差が大きい項目n=112(複数回答)、出典:AQ5Q4

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