学校のトイレ研究会研究誌26号
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子ども用のトイレから誰もが使えるトイレに体育館を地域の防災拠点に改修避難所ならではの工夫が随所に2022年、愛知県丹羽郡大口町の旧大口北小学校の体育館が、新たな防災拠点「大口北防災センター」として生まれ変わりました。一般的に、避難所の多くは、地震や洪水、大規模火災などが発生した際に、市町村の職員がその場に駆けつけ、鍵を開けるなどして避難所を開設します。しかし、その流れでは、実際に避難所が立ち上がるまで、どうしても時間を要してしまいます。そこで、大口北防災センターでは、災害が起きたときに備えて、地域の人々が施設の鍵を持ち、解錠することで、避難所開設までの時間を大幅に短縮することを目指しました。現在は「大口町北地域自治組織」の方々が運営を行っています。通常時の施設は、運動教室が開催されるなど、地域開放の場として利用されています。小学校の体育館を防災センターへ改修するに当たり、トイレ整備も実施されました。これまで、主な利用者は子どもだったことから、一つひとつの大便器ブースは大人が使用するには狭かったといいます。床は湿式、便器は和式でした。 「防災施設なので、新たにバリアフリートイレを設置しました。施設のそばには、公衆トイレもあります。避難の際はそちらも使えることを加味し、便器の数を減らして、個室をゆったりと取りました」そう話すのは、大口町地域協働部町民安全課の稲葉悠斗さんです。バリアフリートイレには、オストメイトに配慮した設備や、ベビーシート、ベビーチェアを備えています。男女別トイレの個室の一つには、子どもと一緒に入ったり、着替えをさせたりすることを想定して、ベビーチェアとフィッティングボードも設置しました。今回の改修で、床を乾式化し、       女で色を変え、視認性を高めてい便器も洋式に変更しました。手洗いは、自動水栓です。防災センターという観点から、トイレの床も男ます。施設内には、災害時の利用に備えて、更衣室も用意しました。屋外には、マンホールトイレもおお ぐち きたフリートイレ。災害時、さまざまな利用することを想定して、オストメ対応した設備の他、ベビーシービーチェアを設置した。旧学校活用トイレ事例04改修愛知県丹羽郡大口町大口北防災センター  

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