学校のトイレ研究会研究誌26号
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トイレが変わっていない学校、PTA、地域、自治体、地元業者みんなでつくりあげたトイレ「みんなのトイレ」のコンセプト誕生まで 「トイレが汚いので、何とかしてほしい!」ある生徒の発言をきっかけに、2021年12月、笠松町で独自の「トイレ研究会」が発足しました。トイレ研究会のメンバーは、笠松中学校の生徒会と教員、PTA、地域の代表者、笠松町、地元業者、そして、TOTOです。研究会の目的は、生徒や地域の人、業者など、さまざまな視点を取り入れることで、みんなにとって使いやすいトイレをつくること。もう一つ、隠れた目標が、本研究誌『学校トイレの挑戦!』に掲載されることだったといいます。改修前のトイレは、床は湿式、便器もほとんどが和式でした。壁の一部は剥がれ、パーティションの下もぼろぼろ。中でも、つらかったのが臭いです。生徒会の生徒は「臭いが本当にひどくて、トイレの近くを通るだけで、服にしみつく感じがした」と語ります。清掃時も、水をまいて、一生懸命ブラシで便器をこすっても、黒ずみや黄ばみなどの汚れは落ちませんでした。PTA会長・トイレ研究会副会長の安藤博之さんも「清掃方法が決して悪いわけではないのに、かわいそうだった」と話します。 「私もこの学校の卒業生です。トイレがそのときからほとんど変わっていない状態だったのです」トイレ研究会発足後は、TOTOのセミナーを受け、生徒たちが理想のトイレプランを考えていきました。 「セミナーによって、障がいのある人や、LGBTQの人たちがトイレで困っていることについて知ることができました。誰もが快適に過ごせるトイレのあり方を考えるきっかけになりました」(生徒会)こうして生まれたのが「みん     す。生徒会は、バリアフリートイなのトイレ」というコンセプトでかさ     まつかさ     まつ30年くらい前の話になりますが、西舎4階女子トイレ。車いすの人も利用しやすいよう、ゆったりとスペースを確保。学校トイレ事例0530年以上前から改修岐阜県羽は島しま郡笠かさ松まつ町笠松町立笠松中学校

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