学校のトイレ研究会研究誌26号
5/32

防災に強い学校施設を目指しての児童への配慮が、随所にちりばめられています。犀桜小学校の前には犀川が流れています。大きな水害が発生したときに備え、備蓄倉庫は2階に設置しました。万が一、1階部分が浸水してしまっても、バリアフリートイレは2階、3階にもあるので安心です。なお、学校が避難所となった際には、管理シャッターを下ろせば、教室側と避難所側とで区画を分けることができ、バリアフリートイレは避難所側に含まれるよう設計されています。金沢市は現在、「木の文化都市・金沢」を掲げています。そこで、犀桜小学校でも、校舎の至るところに木のぬくもりが感じられるデザインを施しました。一部は、県産材の木が活用されています。トイレも同様に、壁材などを木目調のテイストで仕上げました。ジェンダーの観点から「男は青、女は赤」とせず、男女別トイレ、バリアフリートイレも、あえて区別のない内装を採用しています。入り口のサインだけは、視認性のために柔らかい色で着色しました。新しいトイレは児童たちにも好   関しては、二つ目の『場を清め』評で「汚したり、いたずらをしたりするような子はいない」と、辻和久校長先生は語ります。 「『時を守り、場を清め、礼を正す』という言葉を大切にして、教育に当たっています。トイレにが該当すると思うのですが、とても大切に使ってくれていると感じますね」3階バリアフリートイレ。オストメイトに配慮した設備や、手すりを備えた。型のバリアフリートイレトイレの入り口。バリアレは、廊下から容易にう動線を配慮。 3階集中型女子トイレ内手洗いスペース。発電タイプの自動水栓を採用。男子トイレ。校舎内の大便器はすべて温水洗浄便座と発電タイプの電波式リモコン。3階集中型女子トイレ。明るい光が差し込み、清潔感あふれる空間。(上)3階男子更衣室。体育やプールの授業の際に利用する。(下)バリアフリートイレのサイン。ピクトの顔に当たる部分を桜の花びらに見立てている。トイレのドアは自動開閉式。木のぬくもりが感じられる校舎からは、時折、児童たちの楽しそうな会話が聞こえてくる。

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る