学校のトイレ研究会研究誌27号
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9今回の改修工事によってきれいになったトイレに対して、生徒たちからは、「ずっと入っていたいくらいきれい!嬉しい!」「床をサッと拭くだけで掃除が楽になった!」など、喜びの声が聞こえてきました。校舎は1999年に建てられたもので、トイレは和式便器の設置が主流でした。それから20数年、照明も暗く、トイレ特有の嫌なニオイも発生していました。高浜町建設整備課の西嶋悠佑さんは、「時代に合った施設とするため、校舎の1階から3階にある男女トイレ、武道館横にある男女トイレの改修を優先して行うことになりました」と教えてくれました。タイル貼りの湿式床を乾式化して、床に用いる防汚性ビニルシートは、病院などでも採用されている巻き上げ施工により巾木をなくし、清掃しやすくしています。また、改修前は洋式便器の数が少なく、休み時間には洋式トイレに行列ができることもあり、勉強に集中できない環境だったそうです。そこで改修では、洋式便器を増やして温水洗浄便座を標準装備に。また感染症対策として小便器の自動洗浄や洗面の自動水栓を採用し、照明は明るいLEDに替えました。トイレの内装は、多様性への配慮として、男子トイレは白、女子トイレはエッググリーンをベースカラーとしたさわやかな空間に仕上げています。教職員用と武道館のトイレも同様に、リフレッシュ工事を実施しました。トイレ入り口明るく開放的になった生徒用トイレの入り口。女子大便器ブースエッググリーンをベースカラーとしたさわやかな雰囲気の女子トイレ内。武道館のトイレ外に面した通用口からも利用できる。武道館のトイレに設置された温水洗浄便座と発電タイプの電波式リモコン。大便器ブース内洋式化とあわせて温水洗浄便座が標準装備された。男女トイレの洗面コーナー非接触の自動水栓に切り替え、照明はLEDに変更され、明るく清潔になった。学校のトイレ 事例詳細情報はこちら学校のトイレ 事例検索時代に合ったトイレで教育環境を支える子どもたちが安心して学べる工事計画改修工事の主な目的は、タイルの湿式床の乾式化でしたが、子どもたちが通常通りに登校する中で実施する工事となったので、土日や祝日、夏休みなどを利用して行われました。「以前の学校のトイレといえば、暗く閉鎖的で、嫌なニオイがする場所というイメージがありました。今回の改修工事によって、明るく衛生的で、ニオイも気にならない。そして何より、開放感があります」と、時岡常和校長先生は嬉しそうに語ってくれました。トイレが明るく開放的な環境に変わったことで、子どもたちの気持ちも大きく変わります。しかしながら、トイレに限らず学校に工事が入ることで、子どもたちへの教育活動が妨げられることがあってはなりません。子どもたちが落ち着いて、安心して学べる環境を最優先に考えた工事計画が必要です。

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