学校のトイレ研究会

RESEARCH SOCIETY ON SCHOOL TOILETS

学校のトイレ研究会とは

学校のトイレ研究会は、学校トイレについてソフト・ハードの両面にわたって調査・研究し、児童・生徒が安心して使える清潔で快適なトイレを提案・普及していくことを目的に、トイレ関連企業が結集して1996年11月に発足しました。
以来、より良い学校トイレ環境づくりを目指して、空間建材から衛生設備、清掃メンテナンスに至る一貫した研究体制のもと、各社の知見やノウハウを生かしながら、「学校現場の声を聞く」「衛生性を科学する」「ユニバーサルデザインを追及する」という3つの理念を柱に、調査・研究・啓発活動を重ねています。

学校のトイレ研究会
が貫いてきた
3つの取り組み

空間建材~衛生設備
~清掃メンテナンスまで
一貫した研究体制を確立

学校のトイレ研究会は、子どもたち、教職員、保護者、自治体、設計、地域住民の6つの視点から学校トイレのあるべき姿を追究してきました。子どもたちはトイレを選べません。子どもたちや利用者の気持ちに寄り添って考えていくことを第一に研究活動を継続しています。

子どもたち、教職員、保護者、自治体、設計、地域住民の6つの視点子どもたち、教職員、保護者、自治体、設計、地域住民の6つの視点

リサーチ
学校現場の
声を聞く
現場に足を運び、その実態を把握し、子どもたちを中心に、教職員や用務主事、保護者や地域住民、そして改善に取り組まれる自治体や設計の方々の声を聞くことを第一に、調査・研究を継続しています。
研究
衛生性を
科学する
トイレの本当のきれい・汚いとは? 感覚的な清潔感と実際の衛生性には違いがあります。科学的根拠に基づいて、子どもたちを感染から守り、それを教育していくため、科学的検証を実施しています。
理想を追求
ユニバーサルデザインを追究する
一人でも多くの人に使いやすいトイレづくりのため、障がい者や高齢者、幼児・児童などのトイレ内の動作を検証・研究し、最適なトイレ空間づくりを提案しています。
会長挨拶
学校のトイレ研究会会長福岡女子大学
国際文理学部環境科学科
教授
豊貞 佳奈子

このたび、学校のトイレ研究会会長を拝命しました豊貞です。
学生時代から給排水衛生設備を専攻し、これまで一貫してトイレ等の衛生器具に関する実務や教育・研究に従事してまいりました。

学校トイレには、依然として和式トイレが多く残っており、衛生面など多くの課題を抱えています。一方で、学校は災害時の避難拠点としての役割を担っていますので、学校トイレには、お年寄りや障がいのある方、乳幼児連れ、性的マイノリティの方も安心安全に利用できる配慮が必要となります。感染症対策として手を触れずに水が出る自動水栓の要望も増えており、トイレでの密を避けるための混雑回避の動線設計や十分な換気計画も重要です。
また、家庭での温水洗浄便座普及率が80%を超え、当たり前の住宅設備になったことから、学校トイレへの設置要望も高まっています。

子どもたちが大人になるころには、今ある職業の半分がAIに取って代わられ、その分、新たな職業が生まれるとも言われており、教育現場においても、新しい時代の学びを実現する施設づくりが求められています。先行き不透明で変化の激しい時代を生きていく子供たちの憩いの場、コミュニケーションの場となり、新しい発想を得られるような、遊び心のある楽しいトイレが求められるかもしれません。

1996年の研究会設立からの研究成果や知見を活用し、今後の学校トイレの環境改善や新しい時代の学校トイレ提案に繋がる活動を推進していきたいと思います。
今後とも皆様方のお力添えを賜りますよう、よろしくお願いいたします。

プロフィール 1994年日本女子大学家政学部住居学科卒業。同年東陶機器(現:TOTO)株式会社入社。同社在籍中に、関東学院大学、明治大学、早稲田大学の客員研究員や慶応義塾大学SFC研究所上席所員等を兼任。同社ESG推進部環境研究グループリーダー、研究担当部長を経て、2015年に福岡女子大学に着任。同学学長補佐、女性リーダーシップセンター長。北九州市環境影響評価審査会委員、福岡市環境影響評価審査会委員、福津市環境審議会副会長、古賀市総合政策検証会議副委員長等を務める。

会長 豊貞 佳奈子
事務局長より
学校のトイレ研究会
事務局長
冨岡 千花子

「ご家庭のトイレ」と
「学校のトイレ」
比べてみてください。

学校のトイレイメージ

現在、公立小中学校の多くが老朽化問題を抱えています。トイレにおいても、今なお5K問題(臭い・汚い・暗い・怖い・壊れている)を抱え、この10年以上「学校で改善が必要な場所」の1位の座に居座り続けています。洋式化や乾式化をはじめとする改善が順次進められていますが、残念ながら老朽化のスピードに追いついていないのが実態です。

学校のトイレは、1日の大半を過ごす子どもたちの健康面・心理面に大きな影響を与えるとともに、災害時の避難所としての役割も担っています。性別、年齢、障がいの有無にかかわらず誰もが不自由なく利用できる環境、感染症対策、災害対策、バリアフリー化、多様性配慮など、さまざまな整備が求められます。

学校のトイレ研究会は、その時々の社会課題に真摯に向き合い、さまざまな方の声に耳を傾け、それを丁寧に紡ぎながら、参加企業一丸となって業界の垣根を超えた活動を重ねていきます。
皆様には今後ともご支援とお力添えを賜りますよう、お願い申し上げます。

学校のトイレ研究会事務局

学校のトイレ研究会事務局

活動経緯

日本小児外科
QOL研究会

文部科学省主催
学校施設セミナー

内閣官房
「暮らしの質」向上委員会
年度
主な活動 主な調査
2023
オンラインセミナー開催
学校法人洗足学園向け清掃講習会
全国自治体アンケート調査
2022
オンラインセミナー開催(文部科学省基調講演)
埼玉会場で研究会セミナー開催
練馬区用務職員向け清掃講習会
全国自治体アンケート調査
大阪府枚方市学校アンケート調査
2021
初のオンラインセミナー開催
Japan-India SDGs Seminar on Education講演
岩手こどもの健康フォーラム講演
全国自治体アンケート調査
全国公立小中学校教職員アンケート調査
2020
  全国自治体アンケート調査
2019
埼玉・福岡会場で研究会セミナー開催
日本小児外科QOL研究会講演
全国自治体アンケート調査
医療関係者アンケート調査
2018
文部科学省主催「学校施設セミナー」登壇
埼玉会場で研究会セミナー開催
日本小児栄養消化器肝臓学会講演
全国自治体アンケート調査
全国公立小中学校教職員アンケート調査
医療関係者アンケート調査
2017
全国12会場で研究会講演会開催
内9ヶ所で内閣府(防災担当)参事官補佐の基調講演ご登壇
全国自治体アンケート調査
東京都豊島区小中学校949名
改修後アンケート調査
2016
東京土建「あだちトイレサミット」にて講演
大阪・群馬・広島にて研究会講演会開催
横浜市の学校事務職員の方々と合同研修会
熊本避難所トイレ調査
全国公立小中学校5,000校アンケート
全国自治体アンケート調査
2015
文部科学省&学校のトイレ研究会 勉強会
用務主事全国大会
全国公立小中学校2,000校アンケート
全国自治体アンケート調査
2014
内閣官房「暮らしの質」向上検討会にて講演
全国トイレシンポジウム
養護教諭アンケート、座談会
全国自治体アンケート調査
2013
中国建築学会(北京)で公演 全国自治体アンケート調査
2012
学校のトイレ研究会講演会 全国展開開始
兵庫県公立学校施設整備期成会研修会
東京都学校用務主事勉強会
東京都用務主事座談会
全国自治体アンケート調査
1996〜2011
公立学校施設整備担当者研修会
公立学校事務職員研修会  等で講演
全国自治体アンケート調査
小中学校教職員アンケート調査
児童生徒アンケート調査 等