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学校トイレのポイント
災害対策
避難所となった学校では、足腰の弱いご高齢の女性が一人で和式便器が使えず、毎回ボランティアの方に支えられての用足しが忍びなく、それが理由で避難所を後にされた例もあります。学校トイレには、災害避難者の排泄の尊厳を守る義務があります。
災害避難所となった際、最も困るのがトイレ
弊害になるのは和式便器
<熊本地震>避難住民(学校や総合体育館など)101人に聞きました
学校のトイレ研究会「熊本地震避難所アンケート調査」(2016年7月)
※上位8項目・複数回答
学校のトイレ研究会「熊本地震避難所アンケート調査」(2016年7月) 複数回答
長期化する避難所生活では、常設トイレが基盤
東日本大震災や熊本地震で数多くの避難所トイレを調査したところ、共通の困りごとは「和式が多いこと」でした。多くの高齢者や子ども、障がいのある方から悲痛な声があがり、用を足すことを我慢することによる、健康障害が多く報告されました。和式便器は、段差や手すりの問題以前に致命的で、好みの問題ではなく、肉体的に使用できない人を数多くつくっていることを認識しなくてはなりません。2016年内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」では、高齢者や障害者等にとって、和式便器の使用は極度に困難であり、衛生環境の悪化は生命に関わる問題となりうることから、「既設トイレを洋式便器化していくこと」「災害時の水使用の観点から、節水型に置き換えていくこと」とされています。
仮設トイレや携帯トイレの活用も暫定的には重要ですが、まずは常設トイレが避難所生活の基盤です。そして、校舎と体育館双方へのバリアフリートイレの設置と、通常利用も想定した保健室や体育館へのシャワー設置、停電時も使用可能な自己発電タイプの機器なども大変有効です。
《災害時のトイレの確保目標の設定》
- 目標とするトイレの数=最大想定避難者数÷50
*女性用対男性用の割合は3:1が理想的 - 不足する便器の数=
目標とする洋式便器数-既設トイレの洋式便器数
“災害時に確保するトイレ目標数に和式便器はカウントされません”
出典:2016年 内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」
学校のトイレ研究会「熊本地震避難所アンケート調査」(2016年7月)
全国自治体に聞きました!
学校のトイレ研究会「2020年度全国自治体アンケート調査」
※上位8項目・複数回答