事例紹介
改修
高浜町立高浜中学校
(福井県大飯郡高浜町)
安心して学べる環境を最優先に
町全体の活性化の一翼を担う
子どもたち
福井県の西、京都府との県境に近い高浜町。青葉山(若狭富士)の裾野から伸びる海岸線は、ほぼ海水浴場エリアとなっており、その中でも若狭和田ビーチは、2016年以来8年連続でブルーフラッグ認証を受ける素晴らしい海岸です。そんな美しい海と山に囲まれた豊かな自然の中で、子どもたちは元気いっぱいに、伸び伸びと生活しています。
高浜町教育委員会事務局の寺坂仁志さんは、「高浜町は子育て支援と教育環境日本一を目指して、さまざまな施策や環境整備を進めています。行政と町民が一体となり、町全体を盛り上げていくことに熱心な地域だと思います。新たな地場産業の創出も施策の一つで、子どもたちも町づくりに精力的に関わってくれています」
高浜中学校の時岡常和校長先生は、「生徒たちは、“高浜未来創造プラン”という企画提案型の探究学習を行っています。例えば、高浜町をPRする動画を作成したり、あるいはキャリア教育の一環で商品開発を行ったり。地域で栽培をしている薬草を使った商品を開発して販売もしています」と言います。町民が一体となって地域の活性化に向けて、さまざまな取り組みを行なっている様子が伝わってきます。
時代に合ったトイレで
教育環境を支える
今回の改修工事によってきれいになったトイレに対して、生徒たちからは、「ずっと入っていたいくらいきれい!嬉しい!」「床をサッと拭くだけで掃除が楽になった!」など、喜びの声が聞こえてきました。
校舎は1999年に建てられたもので、トイレは和式便器の設置が主流でした。それから20数年、照明も暗く、トイレ特有の嫌なニオイも発生していました。高浜町建設整備課の西嶋悠佑さんは、「時代に合った施設とするため、校舎の1階から3階にある男女トイレ、武道館横にある男女トイレの改修を優先して行うことになりました」と教えてくれました。
タイル貼りの湿式床を乾式化して、床に用いる防汚性ビニルシートは、病院などでも採用されている巻き上げ施工により巾木をなくし、清掃しやすくしています。また、改修前は洋式便器の数が少なく、休み時間には洋式トイレに行列ができることもあり、勉強に集中できない環境だったそうです。そこで改修では、洋式便器を増やして温水洗浄便座を標準装備に。また、感染症対策として小便器の自動洗浄や洗面の自動水栓を採用し、照明は明るいLEDに替えました。トイレの内装は多様性への配慮として、男子トイレは白、女子トイレはエッググリーンをベースカラーとしたさわやかな空間に仕上げています。教職員用と武道館のトイレも同様に、リフレッシュ工事を実施しました。
子どもたちが
安心して学べる工事計画
改修工事の主な目的は、タイルの湿式床の乾式化でしたが、子どもたちが通常通りに登校する中で実施する工事となったので、土日や祝日、夏休みなどを利用して行われました。
「以前の学校のトイレといえば、暗く閉鎖的で、嫌なニオイがする場所というイメージがありました。今回の改修工事によって、明るく衛生的で、ニオイも気にならない。そして何より、開放感があります」と、時岡常和校長先生は嬉しそうに語ってくれました。
トイレが明るく開放的な環境に変わったことで、子どもたちの気持ちも大きく変わります。しかしながら、トイレに限らず学校に工事が入ることで、子どもたちへの教育活動が妨げられることがあってはなりません。子どもたちが落ち着いて、安心して学べる環境を最優先に考えた工事計画が必要です。