学校トイレのポイント

耐久性|ブース

トイレブースを長期間きれいに保つには、清掃方法に合わせたブース材選びが重要です。また、大切に使いたくなるようなデザインの工夫や、子どもが使うことを考慮した安全性の配慮も必要です。

トイレブース材一覧表(学校のトイレ研究会評価)

パネル構造図 面材 意匠性 耐水性 耐衝
撃性
耐薬
品性
防汚性 コスト 総合
評価
特徴
パネル構造図メラミン化粧ソリッド メラミン化粧
ソリッド
◯ 3重◯ ◎ ◎ ◎ △ 3重◯ 仕上げ材(メラミン層)と下地材(フェノール層)が一体となった高強度パネルで全体的に優れています。
パネル構造図メラミン化粧板 メラミン
化粧板
3重◯ ◯ ◯ ◎ ◎ ◎ 3重◯ 耐薬品・防汚・耐熱性能の他、発色性にも優れ、さまざまな表面のバリエーションがあります。
パネル構造図メラミンパーティクル メラミン
パーティクル
◯ ◯ ◎ ◎ ◎ ◯ ◯ 表面にメラミン樹脂、芯材にパーティクルボードやMDFを使用しているので、耐衝撃性・耐薬品・防汚・耐熱性に優れています。
パネル構造図ポリエステル化粧板 ポリエステル
化粧板
△ ◯ △ △ △ ◎ △ コスト面でメリットがありますが、耐衝撃・耐薬品・防汚性能がやや劣ります。湿式清掃で長年使用すると劣化する場合があります。
  1. ソリッドパネル(フェノール樹脂コア)構造

    メラミン化粧層とフェノール樹脂コアが一体となったパネル構造で湿式清掃向きのブース材です。

    ソリッドパネル(フェノール樹脂コア)構造
  2. ペーパーハニカムコア構造

    最も一般的なブース構造で、パネルが表面材とペーパーハニカムコアで構成された構造です。

    ペーパーハニカムコア構造
  3. ソリッドパネル(木質系芯材)構造

    パネルが表面材と無垢芯材で構成された構造で、耐衝撃性を高めたものです。

    ソリッドパネル(木質系芯材)構造
設置イメージ例
グラビティーヒンジ(中心吊り)

ヒンジは中心吊りと蝶番タイプがあり、いずれも重力を利用して開閉するグラビティヒンジが一般的ですが、学校トイレでは指はさみの心配が少ない中心吊りタイプが望ましいでしょう。

グラビティーヒンジ(中心吊り)構造
グラビティーヒンジ(中心吊り)
ブースのカギ

カギの使用中の表示は常開のブースの場合は必要ありませんが、引き戸や外開きのブースの場合は弱視の方に配慮して大きな表示器付きのカギが望ましいでしょう。

スライド錠(表示無し)

スライド錠
(表示無し)

スライド錠(表示付き)

スライド錠
(表示付き)

打掛錠(大型表示錠)

打掛錠
(大型表示錠)

戸当り

戸当りには、扉や壁面に取り付けるタイプの他、トイレブースの仕様によって扉の上部や戸先などに取り付けるタイプもあります。
また、付加機能として扉を開けた際に発生する衝突音を少なくする静音仕様や、フック機能も兼ね合わせたタイプもあります。
フック付きの戸当りを取り付ける場合はドア側に取り付けるとヒンジに負荷がかかるので、壁側に取り付けるのが望ましいでしょう。

戸当りフック無し

フック無し

戸当りフック付き

フック付き

ブースの開閉方法による区分

トイレブースの開閉方法は4種類あり、一般的なブースには開き戸、車いす使用者用ブースには引き戸が多く採用されています。
また、省スペース設計が可能な扉として、折れ戸や回転扉があり、回転扉は一般ブース・車いす使用者用ブース共に採用されています。

開き戸

最も一般的なブース。安全性を考慮すると内開きにするのが望ましいですが、開きのデッドスペースがあるので洋式便器を設置する場合は、広いスペースが必要となります。

開き戸イメージ
引き戸

車いす使用者用ブースに多く採用されていますが、戸袋スペースが必要なので有効開口850mm以上を確保するためには間口が2000mm以上必要となります。

引き戸イメージ
折れ戸

一般ブース・車いす使用者用ブース共に省スペース設計が可能ですが、折れ戸開閉のデッドスペースが車いすに当たるため車いすでの利用には適しません。

折れ戸イメージ
回転扉※

一般ブース・車いす使用者用ブース共に省スペース設計が可能で、開閉時のデッドスペースが無いため、車いすでの利用にも適しています。

※参考商品: オカムラ ウェイブレット

回転扉イメージ