事例紹介
新築
豊中市立庄内さくら学園・
庄内コラボセンター[ショコラ]
(大阪府豊中市)
子どもたちの成長に寄り添った
トイレデザイン
豊中市南部地域の核となる
施設を目指して
豊中市南部地域の小・中学校では、児童数・生徒数が減少し、小学校から中学校へ進学する段階で、学区が複数に分かれることにより、さらに小規模化してしまうという課題がありました。そこで、学校同士を統合することで適正な規模を確立しつつ、子どもたちが多様な人々とのコミュニケーションの中で関係性を育んでいける教育環境を整備することになりました。また、公共施設に関しても各所にさまざまな施設が点在しており、その老朽化が課題でした。これらを一つの場所にまとめ、南部地域の核となる施設を目指して、学校と行政施設が併設されたのです。
庄内さくら学園の本田光直副校長は、「本校は小学校と中学校が一つになった義務教育学校ということで、1年生から9年生で構成されています。また、豊中市では本校を皮切りに、今後新たに設置される小中一貫制の義務教育学校においては、学びのステージを“4年-3年-2年”という設定で展開する予定です。例えば、4年生まではクラス担任制、5年生からは教科別に専任教員が指導します。6~7年生に移行するステージでは、単に小学から中学へ進級するという考え方ではなく、7~8年生へのステップを視野に入れ、最終ステージでは進路など将来に向けての指導を行っています」と語ってくれました。
子どもたちの
成長と多様性に配慮した設計
子どもたちは、新しい校舎に通うことを楽しみにしていました。トイレは湿式床から乾式床に変更され、衛生性と清掃性が向上しました。また、1年生から9年生までの各年次の成長段階に応じて設計内容を工夫しています。
1・2年生が利用する南校舎1階のトイレは、楽しく、行きたくなるように、曲線形状を用いて柔らかな空間を演出しました。手洗いコーナーはみんなで集まれる場所をイメージして、友だちと一緒に手洗いができる安心感を生み出すアイランド形状です。便器や手洗いカウンターの高さは、高学年に比べて低く設定しています。5年生頃からは、より自主性が高まり個性を意識し始める学年になるため、トイレの手洗いは個別に分け、大きな鏡を設置するなど、身だしなみを整えられるよう配慮しました。通級指導教室や適応指導教室などが並ぶエリアには、性の多様性に配慮した男女関係なく使用できる個室タイプのトイレを設けています。また、各階にはバリアフリートイレを整備し、そちらも利用できるように配慮しています。
街づくりの新たなスタンダード
学校と行政施設が併設された南部地域の拠点としての運用は、まだ始まったばかりです。
本田光直副校長は言います。「地域との接点が敷地内にあることは、とても恵まれた環境だと思います。授業においても庄内コラボセンター[ショコラ]を使わせてもらう場合もありますし、子どもたちが下校後にショコラに立ち寄るなど、地域の人たちとの交流が生まれており、とても素晴らしいことです」。
豊中市市民協働部・地域連携課の久野真優子さんは、「ショコラは、庄内さくら学園の子どもたちはもちろん、高齢者からお子さま連れの方まで、幅広い世代の方々に利用されています。この施設を使って、地域の方々が楽しめる場をもっと作りたいと考えています」と語ってくれました。
豊中市南部地域の活気ある街づくりが、新たなスタンダードとして展開していくことが期待されています。
豊中市立庄内さくら学園 DATA
名 称 | : | 豊中市立庄内さくら学園 |
---|---|---|
所 在 地 | : | 大阪府豊中市庄内幸町4-29-2 |
児童生徒数 | : | 1,111名(2024年 4月) |
名 称 | : | 庄内コラボセンター(ショコラ) |
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所 在 地 | : | 大阪府豊中市庄内幸町4-29-1 |
施 主 | : | 豊中市 |
設計・監理 | : | 株式会社類設計室 |
施 工 | : | [建築] 大林組・河崎組特定建設 工事共同企業体 [設備] (給排水衛生) 柳生・山田特定建設 工事共同企業体 (電気) 九電工・八千代・新日通特定建設 工事共同企業体 (空調) 伊丹・ササベ特定建設 工事共同企業体 |
竣 工 年 月 | : | 2022年 11月 |
庄内コラボセンター(ショコラ)
9つの施設
- 庄内公民館
- 市民公益活動支援センター(トヨカツ)
- 庄内保健センター
- 子育て支援センター ほっぺ南部分室
- 庄内図書館
- こども・教育総合相談窓口
- 豊中市役所 庄内出張所
- 庄内介護予防センター
- 豊中しごと・くらしセンター
〒561-0833
大阪府豊中市庄内幸町4-29-1