事例紹介
改修
藤沢市立小糸小学校
(神奈川県藤沢市)
外部アクセスと防犯対策を
両立したトイレ
明るくきれいになった!
大喜びの子どもたち
「こんにちは!」子どもたちの明るく元気な挨拶が、とても心地よく響く小糸小学校。4年生以上のクラス代表者が中心となる運営委員会では、定期的に生活目標を決めています。「今は『挨拶をする』を目標にしていますが、他にも運動会のスローガンを決めたり、イベントのポスターを作ったり、学校行事に必要なことを全校に呼びかけてくれています」と松川裕子校長先生。
校舎は北校舎と南校舎に分かれており、南校舎のトイレは以前の改修工事で整備を終え、1・2・4・6年生が使用しています。
今回新しくなった北校舎の3・5年生の中には改修工事前の暗く汚いトイレが嫌で、わざわざ南校舎のトイレに行く児童もいたそうです。改修工事が終わったトイレは、洗面には明るい色をベースにした三角形のモザイクタイルがあしらわれ、洗面ボウルやトイレブースのカラフルな色がアクセントになっています。床は湿式から乾式に変更されました。すっかり生まれ変わったトイレに、子どもたちは大喜びです。南校舎の子どもたちも見に来ていました。
学校施設整備の方針と取り組み
藤沢市では昭和50年代の人口急増期に、多くの学校が設置された状況があり、築後40~50年ほど経過した学校施設の適切な維持・管理を行うことが課題になっています。藤沢市教育委員会・学校施設課の木下尊人さんは、「施設の再整備計画については、どの自治体も同じような課題を抱えているのではないでしょうか。建物の状態によっては建て替えも検討しますが、基本的には段階的な改修を行いながら建て替えと同等の教育環境を確保することを目指しています」と語ってくれました。
実施計画は、既存施設の適正な管理・運営に関わる整備について直近5年間の計画を立案し、外壁やプールの補修、トイレ、エアコンの設置、グラウンド改修などを計画的に進めるというものです。その中で、築年数を早期改修着手の目安としながら、学校ごとの状況を調査し、学校側の意見を聞くことも大切です。これらを整理・分析したうえで、長寿命化に向けた施設再整備方針を策定し、実施されています。
外部からもアクセスできる
「みんなのトイレ」
今回の小糸小学校のトイレ改修工事は、北校舎の1階から4階までを対象にしています。避難所となることに備え、校舎の1階に外から入れるトイレを設置しました。みんなのトイレもこのフロアにあり、運動会などのイベントや、校庭開放などでの地域住民の利用が想定されています。外からも出入りが可能なため、防犯対策として校舎廊下側の入り口にシャッターを設置し、外部と隔離できる設計になっています。
藤沢市計画建築部・公共建築課(取材時)の奥村梨絵さんは、「学校からの要望は、学校施設課と共有しています。特にトイレの外部からの動線と防犯対策については、事前に打ち合わせをしたうえで設計しています」と説明してくれました。
「藤沢市としては、いずれ全校に“みんなのトイレ”を設置するという方針で改修計画を進めています。各階への設置を基本とし、改修等でスペースを確保することが難しい場合は男女トイレ1か所ごとに1室は広めの個室トイレを設置することにしています。また、さまざまな利用者を想定して、オストメイトへの対応も同時に行っています。現在、小糸小学校には特別支援学級はありませんが、どのような状況の子どもが入学してきても安心して学校生活を送れるように、事前に必要な配慮を確認して修繕するなど、臨機応変に対応しています」と、木下尊人さんが語ってくれました。
藤沢市立小糸小学校 DATA
名 称 | : | 藤沢市立小糸小学校 |
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所在地 | : | 神奈川県藤沢市大庭5062-1 |
児童数 | : | 295名(2024年4月) |
施 主 | : | 藤沢市 |
設計・監理 | : | 藤沢市 公共建築課 |
施 工 | : | [建築]株式会社丸山工務所 [設備]株式会社下田商会 |
竣工年月 | : | 2024年3月 |