事例紹介
新築
茅野市立永明小学校・
茅野市立永明中学校
(長野県茅野市)
茅野市立
永明小学校
校長
宮下 健治さん
トイレが
他者を大切にする気持ちを育む場に
新しい校舎は廊下が広くなりました。メディアセンターなどの真新しい施設をはじめ、中学生のお兄さんやお姉さんたちと校舎内で出会えます。そんな環境が嬉しいのでしょう。児童たちは、以前よりも明るく、楽しそうに学校生活を送っています。
楽しいから、ときには廊下も走り回ってみたくなります。改築前であれば「廊下は走らない」というルールで安全を守っていました。今は校舎が新しくなることを機に、なるべくそういったルールを少なくし、廊下を走っていると「危ないよ」と声をかけて考えさせます。それはなぜ廊下を走ってはいけないのかを自分で考える習慣をつけさせたいからです。
トイレの使い方に対しても同じです。明るく、おしゃれに装われたトイレ空間は、児童たちの大好きな場所になっています。大好きだから、遊びたくなります。校舎内をまわりながら、トイレに立ち寄ると遊びに熱中し過ぎた足跡が残っていることもありました。また、床の隅のほこりなど、トイレの清掃が上手にできていない箇所も散見されました。それが気になっていたのは私だけではありませんでした。
ある日、児童たちから「トイレを大切に使おう」と訴えるポスターを作りたいという提案が届いたのです。ルールではなく、自分たちで新しい学校を良くしたいと考える心が育ち始めていることに気がつきました。バリアフリートイレについても、まだほとんどの児童は使っていませんが、このトイレも人の多様性について考える格好の教材です。永明小・中学校が目指す子ども像は「相手に生きる私」です。小学生同士の関わりだけではない、中学生や地域も含めた多くの人々との関わりの中で自分が生かされていることを知り、相手を生かせる人になっていこうとの想いがそこに込められています。そして、その新しい校舎の新しいトイレもそれを育んでいく場になっていくと思っています。
茅野市立
永明小学校
児童
さん
ワークショップで作った
モザイクタイルの作品
新しい校舎は、図書館が一番好きでよく探偵物の本を読んでいます。新校舎をつくる時にワークショップで縄文文化をテーマにトイレのモザイクタイルをみんなで作ったことが楽しい思い出として残っています。おしゃれで清潔なトイレのことは家族にもよく話をします。