事例紹介
新築
茅野市立永明小学校・
茅野市立永明中学校
(長野県茅野市)
違いを超えて生まれた
まったく新しいトイレ
児童・生徒さんに
学校生活を楽しみながら
送ってほしい
その想いを設計に込めて
株式会社 東畑建築事務所
建築士
久保 久志
私が設計・監修
いたしました。
施設一体型の小中併設校をつくるにあたって大切にしたことは、児童生徒同士の対話と交流を促進する環境をつくること。利用者が状況に合わせて選べる環境をつくること。そしてまちの中に溶け込むように学校をつくることの3点です。そのために何度もワークショップを開催し、先生方や地元地域の皆様と教育のあり方や施設の使い方などについても一緒に議論する場を持ち、またそれを反映できるよう、設計プランも検討を重ねました。
その結果、様々な文化の違いを超えて、既成概念にとらわれないまったく新しい学校をつくることができたと思います。
そして、その考え方はトイレにも反映されています。茅野市の魅力が凝縮した「土」「水」「森」というコンセプトがトイレのモザイクタイルで表現され、茅野市の自然や文化を日常で感じられるようにしたこともその一つです。さらに木の風合いのある素材は校舎内に多く用いていますが、トイレでは他の色彩やちがった質感の素材も使用し、変化を感じるよう工夫しました。またジェンダーフリーについても様々な意見をお聞きし、具現化しています。その結果、一つとして同じデザインやレイアウトがない多彩なトイレが完成しました。
今後、この学校やトイレが児童・生徒の皆さんの良き居場所となり、この小中併設校を中心に多様な交流が広がっていくことを期待しています。