事例紹介
新築
茅野市立永明小学校・
茅野市立永明中学校
(長野県茅野市)
茅野市立
永明中学校
校長
矢﨑 知広さん
生徒たちとの関わりの中で生まれた
新しい校舎やトイレ
私自身が永明小学校、そして永明中学校の卒業生でもあることから、旧校舎から新校舎へ生まれ変わる過程を感慨深く見守っていました。この小中学校と公私ともに長く接してきた私が生徒たちによく話すのは、50年先も居心地がよくきれいな学校を残していこうということです。
新しい校舎には天然木が床や壁、建具などに用いられ、温かみや香りを漂わせています。本物の木だから何かの拍子にキズがついたり、ささくれたりすることもあります。それは仕方がないことでしょう。その度にこの校舎を大切にしようという気持ちを深めてほしいと 願っています。それはトイレも同じことです。
新しいトイレには様々な魅力がちりばめられています。ただ明るくおしゃれで清潔なだけではなく、ベンチなども設置され、ほっと心を休める居場所にもなっています。
1階トイレ前のリフレッシュスペースには、新校舎の完成前に卒業していく中学3年生と一緒に作った土壁があります。その生徒たちは新校舎完成前に卒業したために新しい校舎での学校生活は経験していません。しかし、土壁をデザインしたり、工事の一部に参加することで自分たちの足跡を残すことができています。
男子トイレや女子トイレのデザインを例にして、みんなでSDGsやジェンダーフリーについて熱く議論したことも今では良い思い出です。そこでは男性らしさ、女性らしさという固定観念で縛られていたことに対する気づきなども得られ、同時に現実面ではトイレのように男女を区別する必要性も理解できました。そういった学びの軌跡がトイレのサインに結実しています。
新しい校舎、新しいトイレの素晴らしいところは、その設計やデザイン面だけではなく、多くの人たちとの関わりが残されているところだと思います。そして、その関わりは、今いる自分たちだけではなく、これからこの学校に入学してくる人たちを思いやりながら大切に使うことでこれからも途絶えることなく、継続していくことと期待しています。
茅野市立
永明中学校
生徒
さん
様々なアイデアが素晴らしい
新校舎とトイレ
新校舎は階段状のプレゼンテーションスペースが先進的で素晴らしいと思っています。また小中一体化となることで校舎内はとても新鮮な雰囲気があります。小学生に夏休みの宿題をサポートするステューデントティーチャーにも参加しましたが、様々な発見ができ、自分自身の勉強にもなりました。以前のトイレは狭いところもあり、ニオイが気になることもありましたが、今は自動で水が流れ、掃除もスムーズにできています。入り口部分は、扉がないのに視線を遮られるよう工夫されていて、トイレサインのアイコンのデザインも気に入っています。
明るいトイレで
友だちとおしゃべりを
楽しんでいます
小学校と中学校が一つになったことで小学生と交流する機会が増え、総合の時間では折り紙を教えてあげながら一緒に折りました。こういう機会があることで同じ地域に住むという絆も深まったように感じています。トイレは以前の校舎よりも明るくなって、楽しいモザイクタイルを見ながら、友だちとおしゃべりをする時間も増えました。家族には新しい校舎のことや、トイレの手を触れないで手が洗える自動水栓のことなどもよく話をします。